>保管庫
第三者評価
ばしゃりと不意に光ったフラッシュに振り返れば、松尾がえらく骨董品なポラロイドを抱えていた。
やけに大きな音を立てて本体が吐き出した写真は、我先にと伸ばされる周囲の人間の手によって、あちらこちらと行き来する。
どうやら、どこからか見つけてきたまま、面白がっていろいろと撮りあっているらしい。
「ほれ、桃」
最終的に写真を手にした富樫に、ひょいと目の前に差し出されたそれを、反射的に受け取る。
そこには、少し前の自分の姿。
ああ、他人の目に自分は、こう映っているのか。
[2004/05/13]