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辛苦呻吟哮哭の声

 

冴え冴えと清渡りたる黎明の白銀の閃光 東方の空
凍てつける大気を砕き唐突の恐怖は襲う浅眠の里
横たわる崩壊の痕 残熱の砂 老人は掘る妻の遺品(しるし)を
異世界の呪詛の如くに繰り返す 驚愕の数(こえ) 絶望の名前(こえ)
眠られぬ夜におびえる人々の頭上に眠る瓦礫の脆さ
零れ落つ涙珠は歪む氷月夜 辛苦呻吟哮哭の声

 

[2000/01/13:掲載]