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ラプンツェルの鎖

 

 弟の指が髪を梳く。
 そして、肩甲棘を覆うほどに伸びたそれを、編み上げていく。
 編んで、解いて。解いて、編んで。
 飽きず繰り返される作業。
 そのままどこかに縛り付けてしまえばいいのになんて、頭の隅で思う。
(身動きひとつ許さないほどに、縛り付けてしまって構わないのに)
「痛くない?」
「おう」
 呪いの言葉をひとつ、吐くだけでいい。そんな労わるような言葉じゃなくて。
 それだけでいいのに。
(俺に自由を与えないで)
 伸びた髪に絡みつくのは、己の罪業。
(断罪する権利を、お前は持っている)

みけねこ堂の豆はやっぱりどこか病んでいる。[2004/08/10]