>保管庫

罪悪感

 

 しゃり、と枯葉を踏み潰したような音を知覚する。
 足裏で感じるかすかな違和感。
 力の流れのままにもう一歩、先へと進んで、その場所を振り返る。
 そこには、頭のもげた、蜻蛉の死骸が転がっていた。
 それは、彼が踏まずとも、とうに死んでいたものだろうが、それでも、自分がその命を奪ったのだという思いが彼を縛り付けた。

 

[2004/08/13]