>保管庫
単調振動
街の灯など、ちらとも見えない辺境の地。 弟の脚を枕代わりに、ゆらゆらと炎に合わせて揺れる影を眺める。 毛布の中、無意識に指先は単調なリズムを刻む。 やわらかな過去が作り出す心地良さ。 けれど、無自覚が自覚に切り替わった瞬間、ひそやかに罪悪感 がすべりこむ。 握りこむ指先。引き結ぶ唇。 背中に触れる同じリズムに、泣き喚きたい気持ちになった。
弟。>>>
[2004/08/08]